Remography

アニメの演出、スタッフさんに興味があります。

劇場版アイドルマスター感想 春香というキャラクターの解釈

劇場版アイドルマスターを観てきた。



ざっくりとした感想は、完全オリジナル作品ではあるけれど、TVシリーズでやってきたストーリーの盛り上がりとか演出の総決算のような内容で、自分が楽しんでいたアニマスがちゃんとここにある!という安心感を感じられる内容だった。

全体の感想はこの辺にして、観ていて特に魅力を感じたのは、随所に見えてくる春香というキャラの解釈。




新人の矢吹可奈って子が出てきて、その子の挫折っぷりがまさにTVシリーズ24話の春香と同じで、この子と向き合う、過去の自分と向き合った春香は自分に対してどんな声を掛けるんだろう、それを楽しみにしながら観ていた。
春香は心が折れてしまった可奈がどんな気持ちなのかは痛いほど理解している。
だから春香は可奈がどうしなきゃいけないのかを知っていて「自分がほんとにしたいと思ってること、やろうよ」って声を掛け続ける。




春香と可奈の電話のシーン。ここって実は可奈はほとんど喋ってないし、表情も映らなくて、ずっと春香が芝居をしていたシーン。
その演出も相まってか、春香が24話のときの自分に向かって言い聞かせているように見えてしまった。



劇中で春香がリーダーとしてどうすればいいか分からなくなってる場面がいくつかあって、春香に対して伊織は「しっかりしなさいよ!でもあんたが決めたことじゃなきゃ意味が無いのよ」って言うし、美希は「春香じゃないから分からない、でも春香なら答えを出せるはずだよ」って言う。
こんなところにも春香がどういうキャラなのかっていう解釈が詰まっている。
(この伊織のセリフは練習スタジオで春香と北沢志保が言い合ってたシーンのときのなんだけど、困難が起こった時に伊織がリーダーシップ発揮するっていうのが伊織らしさが出ていて好きだった。)



春香がアリーナの花道に立って「みんなと一緒にやることが大事なんだよ」って宣言するシーン(ここの花道の使い方がかっこ良かった!)、春香は自分がしたいと思ったことをやらなきゃ気が済まないし、みんなはそういう春香を信頼している。
そういう765プロのチームスタイルが象徴されていて、春香の気持ちがよく見えるシーンだった。



他にも魅力的なシーンはたくさんあったけど、とても思い出せないのでこの辺で。





春香がもう一人の自分(可奈)に「自分がほんとにしたいと思ってること、やろうよ」って言ってたように、春香は自分のやりたいことに対して頑なで素直になる子だというのはTVシリーズからの延長線上にある解釈。
それを劇場版では新人の子を入れて春香がもう一人の自分と向き合う状況を作ってみたり、みんなが春香に対しての想いを語るシーンを入れたりして、春香のキャラをより際立たせる作りになっていた。



TVシリーズの頃から、アイマスって春香に限らず「この子はこういう性格の子だ」っていう解釈に裏打ちされてるシーンとか演出が多くて魅力的だという印象があって、劇場版でもそういうアイマスらしい部分がしっかり出ていて嬉しかった。



春香ってどんな子なんだろう?って考えるだけでも色々なものが視えてきて頭の中がいっぱいになる、そんなアイマスらしい魅力が詰まってた劇場版でした。